2024年11月18日
お知らせ泌尿器科・谷口和紀医師の論文が医学雑誌「Journal of Clinical Medicine」に掲載されました
泌尿器科・谷口和紀医師の論文が医学雑誌「Journal of Clinical Medicine」に掲載されました。
【掲載誌】
J. Clin. Med. 2024, 13(21), 6444
【掲載タイトル】
Impact of Mannitol Administration on Postoperative Renal Function After Robot-Assisted Partial Nephrectomy
(ロボット支援腎部分切除術中のマンニトール投与による術後の腎機能への影響)
【概要】
腎細胞癌における腎部分切除術において、マンニトールは腎機能保護目的に投与されることが多いです。本研究では、2016年3月から2023年11月までに日本の8施設においてロボット支援腎部分切除術(RAPN)を受けた腎細胞癌患者1530人が含まれました。術中にマンニトールを投与した群と投与しなかった群の二群に分類し、傾向スコアマッチングを用いて、各群531人を対象に術後の腎機能に対するマンニトール投与の効果を検討しました。本研究の結果、入院期間、手術成績、Trifecta達成率、術後28日、90日、1年後の推算糸球体濾過量について、周術期の転帰に両群間に差は認められませんでした。
国際的な調査によると多くの施設で腎部分切除術中にマンニトールの投与が行われています。しかし、最近のいくつかの研究では腎部分切除術においてマンニトールを投与しても腎機能は改善しないと報告がされております。本研究の結果に基づき、本邦でも腎機能改善のためのRAPN術中のマンニトールの投与は省略することができると考えます。