2023年02月01日
お知らせ循環器内科:透析シャント拡張術(シャントPTA)の実績が500例を超えました
当院の循環器内科では、透析のシャント拡張術(シャントPTA)を行っています。
血液透析を行う際、充分な血液量が確保できるように動脈と静脈をつなぎ合わせた血管をシャント血管といいますが、シャントPTAはこの血管が狭窄や閉塞した場合に、血栓吸引カテーテルやバルーンカテーテル(風船付きカテーテル)、または人工血管を用いて血管を再貫通させる治療方法です。
循環器内科におけるシャントPTAは2019年に開始し、500例を超えるまでとなりました(2022年12月現在)。
循環器内科は冠動脈に対するカテーテル治療(PCI)で培った技術を用いて難度の高い症例に対しても治療を行っています。当院でのシャントPTAは基本的には日帰り手術ですが、場合によっては入院となることもあり、透析科とも連携の上、治療にあたっています。なお、緊急度に応じて当日対応もしています。
【シャントPTAの概要】
血液透析において、充分な血液量が確保できるように、動脈と静脈を体内または体外で直接つなぎ合わせた血管をシャント血管といいます。このシャント血管に狭窄や閉塞が起きると血液がとれず透析ができなくなります。
この場合、シースという管を挿入し、ガイドワイヤーを通した後、血栓吸引カテーテルやバルーンカテーテル(風船付きカテーテル)を用いてシャント血管の狭窄や閉塞を治す治療をすることで、再び透析が可能となります。最近では人工血管を留置することもあります。
この治療法をシャントPTAといいます。(VAIVTともいいます)
PTA:Percutaneous Transluminal Angioplasty (経皮的血管拡張術)
VAIVT:Vascular Access Intervention therapy (経皮的バスキュラーアクセス拡張術)
血管の狭窄をバルーン拡張によって改善するこの治療は、冠動脈(心臓の血管)狭窄に対して以前から行われており、その手法をシャントの改善に用いたものです。
【シャントPTAを考慮する状況】
・シャント音の消失または減弱
・脱血不良
・静脈圧上昇 等が挙げられます。
以上のような状況においては、まずシャントエコーを実施し、狭窄部位の同定、治療適応を判断し、治療が必要であると判断した場合は、当日の治療も含め日程を決定します。
【シャントPTAの画像】
【シャントPTAの合併症について】
・出血:止血については治療終了時に医師による確認をいたしますが、しばらくして止血部位からの再出血がまれにあります。再度、ご自身で圧迫することによりほとんどが止血可能ですが、心配であれば当院へご連絡ください。
・造影剤アレルギー:造影剤使用によりアレルギー反応が認められることがありますが、適切に対処いたします。また治療前には過去のアレルギー歴を十分お聞きいたします。
・早期シャント血管閉塞:治療後早期にシャント血管が閉塞することがあります。その際は速やかに再度治療を行いますが、新規のシャント造設の手術が必要となることもあります。
治療についてご不明な点があれば、循環器内科までお気軽にお問い合わせください。