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2022年11月25日

お知らせ

技術放射線科・診療放射線技師の内田裕馬さんの論文が「臨床核医学」に掲載されました

技術放射線科・診療放射線技師の内田裕馬さんの論文が「臨床核医学」に掲載されました。

【掲載誌】
臨床核医学(NUCLEAR MEDICINE IN CLINIC) Vol.55, No.6
2022年11月号

【掲載タイトル】
「肺血流シンチグラフィーがCOVID-19罹患後の肺血流障害を検出した一例」
(Application of lung perfusion scintigraphy to detect peripheral blood perfusion impairment in a patient with post COVID-19; A case report)

【概要】
呼吸器領域の核医学検査は換気及び血流を画像化することによって、病変を検索することを目的としており、99mTc-MAAを用いた肺血流シンチグラフィーは肺の血流分布を可視化することができる。今回我々は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後、CT検査で明らかな異常が捉えられない症例においても、肺血流シンチグラフィーによって末梢血流不全を可視化することができたので報告する。

患者はCOVID-19の重症例で、回復し退院した後も続く息切れの原因検索のため胸部造影CT検査を施行したが肺動脈内血栓等を指摘できなかった。その後、肺塞栓症精査として肺血流シンチグラフィー検査を施行したところ肺野の一部集積低下がみられ、末梢血管内での血栓形成の関与が示唆された。

核医学検査である肺血流シンチグラフィーは、放射性微粒子を静注し肺毛細血管に多発性微小肺塞栓を生じさせて撮像を行う画像検査であり、正確な肺血流分布や局所肺機能を画像化することを得意とし、本症例のような臨床的に肺塞栓が疑われるがCTで陰性である場合は核医学検査が有用とされている。COVID-19罹患後に遷延する症状の精査として核医学検査が診断の一助となる可能性が示唆された。

【掲載情報】
臨床核医学(NUCLEAR MEDICINE IN CLINIC)
Vol.55, No.6, P81-96
https://www.rinshokaku.com/magazines/2022/55_6.pdf
https://www.rinshokaku.com/index.html

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