2022年11月17日
お知らせ泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「Current Oncology」に掲載されました
泌尿器科診療部長・髙木公暁医師の論文が医学雑誌「Current Oncology」に掲載されました。
【掲載誌】
Current Oncology Vol.29, Issue 4
【掲載タイトル】
Robot-Assisted Radical Prostatectomy for Potential Cancer Control in Patients with Metastatic Prostate Cancer
(転移性前立腺癌患者に対するロボット支援前立腺全摘除術の潜在的な癌制御効果)
【概要】
転移性前立腺癌患者に対して腫瘍減量を目的とした前立腺全摘除術が腫瘍学的転帰を改善するという報告が見られます。今回私たちは岐阜大学病院及びその関連施設において、転移性前立腺癌患者に術前補助ホルモン療法を行い、PSA値<0.2ng/ml、画像検査にて新規病変を認めないことを確認した症例にロボット支援前立腺全摘除術を施行しました。
条件を満たす12例に対して生化学的無再発生存期間 (BRFS)、無治療生存期間(TFS)、および無新規転移生存期間 (dMFS)を調査しました。1 年および 2 年生化学的無再発生存率はそれぞれ 83.3% および 66.7% であり、無治療生存率はそれぞれ 75.0% および56.3% でした。
術前補助ホルモン療法期間の中央値は6.3か月でした。1 人の患者は、術後 6.4か月で新規骨転移を発症し、術後 8.9 か月で去勢抵抗性前立腺癌を発症しました。手術関連合併症はみられず、尿禁制獲得までの期間中央値は5.2か月でした。
本研究は症例数が少なく、また観察期間も短い後方視研究である他様々なlimitationがあります。
そのため即時臨床応用が可能となるわけではありません。症例数の蓄積や他の研究報告との十分な吟味を行うことが今後の課題となります。
【掲載情報】
Current Oncology
Vol.29, Issue 4 (April 2022)
https://www.mdpi.com/1718-7729/29/4/233