2022年05月12日
お知らせ総合大雄会病院 小児科非常勤医師・水谷達志医師の論文が雑誌「COVID」に掲載されました
総合大雄会病院 小児科非常勤医師・水谷達志医師の論文が雑誌「COVID」に掲載されました。
【論文タイトル】
A Reciprocal Cross-Reactivity between Monoclonal Antibodies to SARS-CoV-2 Spike Glycoprotein S1 and Human CXCR2—An Implication of a Viral Mimic of Human CXCR2
(日本語)
新型コロナウイルスのスパイクタンパクに対するモノクローナル抗体とヒトの受容体CXCR2に対するモノクローナル抗体との間には相互的な交差反応が起きる。この交差反応性は、新型コロナウイルスのスパイクタンパクがヒトCXCR2に似た部位を含んでいる可能性を示唆する。
【概要】
ウイルスはヒトの受容体に似た自身の部位を介してヒトの免疫に影響を与えることがあります。本研究では新型コロナウイルス(以下、SARS-CoV-2)がヒトの受容体CXCR2に似た部位を含んでいるかもしれないと仮説し、健常人の末梢血白血球を用いたフローサイトメトリー解析により検討しました。その結果、SARS-CoV-2のスパイクタンパクに対するモノクローナル抗体CR3022とヒトCXCR2に対するモノクローナル抗体が、同じ標的タンパクを認識しあう(交差反応といいます)ことがわかりました。このことは、SARS-CoV-2のスパイクタンパクがヒトCXCR2に似た部位を含んでいる可能性を示唆します。この可能性をさらに追求することで、SARS-CoV-2に対する新たな治療標的のてがかりが得られるかもしれません。
【掲載雑誌】
・「COVID」 2022 Vol.2 Issue 5
https://www.mdpi.com/2673-8112/2/5/42
※水谷医師は、初期臨床研修を大雄会で行い、種々の研究機関を経て現在大雄会に所属しています。大雄会では臨床のみならず、意欲ある医師によって学会発表や、世界的な雑誌に論文が掲載されています。