レーザー治療
レーザーとは
そもそもレーザーとは「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」の頭文字を取った造語で、自然光とは違い単一の波長のみで構成された、人工的に作られた光です(美容医療で用いられるフラッシュランプ・フォトフェイシャルは幅広い波長の光を用いているため、レーザーとは異なります)。皮膚病変に反応しやすい波長のレーザー光を照射することで、正常な皮膚への影響を最小限に治療を行うことができます。
当科では、生まれつきのアザや、シミ・黒子などに対する治療としてレーザー治療を行っており、目的や治療対象に応じて以下の3種類のレーザー機器を使用しています(※色素レーザーは2022年2月に導入)。愛知県内有数のレーザー治療件数を誇る愛知医科大学形成外科で研修を行った医師が治療を担当させていただきます。
レーザーの治療対象となる疾患は下記をご覧ください。保険診療となる場合と、自費診療となる場合があります。
(※当科ではレーザー脱毛は行っておりません。)
レーザーは赤ちゃんや妊娠中の方でも安全に治療を行うことができますが、体調の優れない方や予防接種をした前後1週間の間は照射をお控えいただいております。
当科では、生まれつきのアザや、シミ・黒子などに対する治療としてレーザー治療を行っており、目的や治療対象に応じて以下の3種類のレーザー機器を使用しています(※色素レーザーは2022年2月に導入)。愛知県内有数のレーザー治療件数を誇る愛知医科大学形成外科で研修を行った医師が治療を担当させていただきます。
レーザーの治療対象となる疾患は下記をご覧ください。保険診療となる場合と、自費診療となる場合があります。
(※当科ではレーザー脱毛は行っておりません。)
レーザーは赤ちゃんや妊娠中の方でも安全に治療を行うことができますが、体調の優れない方や予防接種をした前後1週間の間は照射をお控えいただいております。
Qスイッチ付ルビーレーザー
Qスイッチ付ルビーレーザーは、もともとは刺青の除去のために開発された機器ですが、日本では茶アザ・青アザや、シミなどの治療に用いられています。ルビーレーザーは波長694nmのレーザーで、表皮・真皮のメラニン色素に吸収されて熱を発生させ、メラニン色素を破壊します。
対象疾患・・・保険診療対象の扁平母斑、異所性蒙古斑、太田母斑、外傷性刺青や、自費診療の老人性色素斑、刺青。
対象疾患・・・保険診療対象の扁平母斑、異所性蒙古斑、太田母斑、外傷性刺青や、自費診療の老人性色素斑、刺青。
Qスイッチ付ルビーレーザー照射前
Qスイッチ付ルビーレーザー照射後
炭酸ガスレーザー
炭酸ガスレーザーは工業分野でも使われているレーザーで、黒子やイボ、盛り上がったシミなどの治療に用いられます。波長は10,600nmで、主に体の組織の水分に吸収され、組織を蒸散(気化)させます。
対象疾患・・・黒子・色素性母斑、疣贅(ゆうぜい)※、脂漏性角化症など。
自費診療になる場合もありますので、医師とよくご相談ください。
※一般的にイボと呼ばれるもの
対象疾患・・・黒子・色素性母斑、疣贅(ゆうぜい)※、脂漏性角化症など。
自費診療になる場合もありますので、医師とよくご相談ください。
※一般的にイボと呼ばれるもの
炭酸ガスレーザー照射前
炭酸ガスレーザー照射後
色素レーザー(Vbeam)
色素レーザー(Vbeam)は赤あざや浮き出た毛細血管などの治療に用いられます。レーザー光は血液中の色素であるヘモグロビンに吸収されて熱を発生させ、その熱が血管壁を破壊することで効果を発揮します。
対象疾患・・・いちご状血管腫(乳児血管腫)、単純性血管腫(毛細血管形成異常)、毛細血管拡張など。
(※色素レーザーは2022年2月に導入)
対象疾患・・・いちご状血管腫(乳児血管腫)、単純性血管腫(毛細血管形成異常)、毛細血管拡張など。
(※色素レーザーは2022年2月に導入)
色素レーザー(Vbeam)照射前
色素レーザー(Vbeam)照射後
レーザーの合併症
痛み
レーザーを照射すると独特の痛みを感じますので、原則としてシール型の表面麻酔や、局所麻酔の注射をしてから行います。照射範囲が広い場合は、入院・全身麻酔で照射を行うこともあります。
照射後のケア
レーザーを照射した部位は軽い火傷の状態となり、水ぶくれを生じたりしますので、ジクジクしている間(1~2週間)は医師の指示に従って軟膏処置を行ってください。
再照射・再発
1回のレーザー照射で皮膚病変が消失することはまれで、多くの場合は3ヶ月程度の間隔を開けて照射を繰り返すことでより高い効果を得ることができます。また、完全に皮膚病変が消失していなくても、時間の経過とともに自然に消失していくこともありますので、治療方針については担当医師とよくご相談ください。
なお、自費診療の場合、2回目以降の治療の際や、治療に関連した内服薬の処方にも自費診療の料金が発生します。
なお、自費診療の場合、2回目以降の治療の際や、治療に関連した内服薬の処方にも自費診療の料金が発生します。
色素沈着・色素脱失
照射後2-3ヶ月経ってから、色素沈着(茶色い色がつく)や色素脱失(白く抜ける)を生じることがあります(それらがまだらに混在することもあります)。それらは多くの場合は照射後1-2年程度で周囲と色がなじんできます。
それらは照射後に日焼けをしてしまうと生じやすいので、照射後数ヶ月は日焼け予防に気をつけてください。
それらは照射後に日焼けをしてしまうと生じやすいので、照射後数ヶ月は日焼け予防に気をつけてください。
レーザーの治療対象となる疾患
扁平母斑
表面は平坦な茶褐色のアザです。多くは生まれつきのものですが、中には思春期頃に出現することがあります(晩発性扁平母斑、Becker母斑)。原則として3ヶ月に1回のQスイッチ付ルビーレーザー照射を行いますが(保険適用は照射2回まで)、効果が出づらかったり、再発したりする場合もあります。
治療前
治療後
異所性蒙古斑
蒙古斑は赤ちゃんのお尻に見られる青色~灰色のありふれたアザですが、お尻以外の場所に生じると異所性蒙古斑と呼ばれます。お尻の蒙古斑と同じく自然に消えてしまうことも多いですが、色が濃いと大人になっても残ってしまいます。
原則として3ヶ月に1回のQスイッチ付ルビーレーザー照射を行います(保険適用は照射5回まで)。
原則として3ヶ月に1回のQスイッチ付ルビーレーザー照射を行います(保険適用は照射5回まで)。
治療前
治療後
太田母斑
片目の周り~頬部に見られる青色~灰色のアザで、生まれつきあるものと思春期ごろまでに出現するものがあります。色は蒙古斑と似ていますが、自然に薄くなることはありません。治療は原則として3ヶ月に1回のQスイッチ付ルビーレーザー照射を行います(保険適用は照射5回まで)。
治療前
治療後
外傷性刺青
皮膚を擦り剥いた時などに中に砂やアスファルトなどの異物が入り込み、時間が経っても残存していることを言います。治療は原則として3ヶ月に1回のQスイッチ付ルビーレーザー照射を行います。
治療前
治療後
老人性色素斑・脂漏性角化症
いわゆるシミのことです。平坦なものはQスイッチ付ルビーレーザー、膨らんだものは炭酸ガスレーザーで治療を行います。原則として自費診療となります。
治療前
治療後
刺青
当科では青い色の刺青のみ治療を行っています。自費診療となり、何度も照射を繰り返さなければならないことが多いです。
治療前
治療後
黒子・色素性母斑
炭酸ガスレーザーで治療を行いますが、大きなものや悪性が疑われるものは外科的に切除を行います。保険診療となる場合と自費診療となる場合がありますので、担当医師とよくご相談ください。
治療前
治療後
いちご状血管腫(乳児血管腫)
多くは生まれてから数日して出現する赤いアザで、数ヶ月の間に急速に隆起・増大します。その後自然に退いていくもの多いですが、大きいものや機能的な悪影響が懸念されるものは治療を行います(原則として3ヶ月に1回の色素レーザー照射)。当院内科と連携して内服治療を行う場合もあります。
治療前
治療後
単純性血管腫(毛細血管形成異常)
生まれつき見られる表面が平坦な赤アザです。原則として変化しませんが、顔のものは大人になってから隆起してきたり、他の血管腫が紛れていたりする場合があります。治療は原則として3ヶ月に1回の色素レーザー照射です。額~まぶた~鼻にあるものやうなじにあるものはそれぞれサーモンパッチ、ウンナ母斑と呼ばれ、自然に退いていくこともあります。
治療前
治療後
毛細血管拡張
大人の顔などに細かい血管が浮き出ているものを指します。色素レーザー照射を行います。