診療科・部門

⽩内障について

白内障とは

眼の中のレンズの役割をする⽔晶体が濁ってしまう病気です。

進⾏すると外からの光が眼の中に⼗分に⼊らなくなり、物が霞んで⾒えたり、視⼒が低下したりします。また、⽔晶体の濁り⽅によっては⽔晶体内で光が乱反射し、眩しく⾒える場合があります。

⽩内障の治療

⽩内障の進⾏を予防する点眼はありますが、進⾏を遅らせるだけで、改善はしません。進⾏した場合、⼿術で治療することが出来ますので、定期的な通院をして、適切な時期に⼿術を⾏うことが有効な治療になります。

⽩内障の⼿術

⽩内障の⼿術は濁った⽔晶体を取り除き、その代わりに⼈⼯のレンズを挿⼊します。⼿術時間は10分程度ですが、⾼度に進⾏している⽅や、緑内障、ぶどう膜炎などを合併している場合は⻑くなることがあります。

検査機器について

眼内レンズの種類

⽩内障⼿術時に眼内に⼊れるレンズの種類は単焦点と多焦点の⼤きく分けて2種類があります。単焦点レンズが遠⽅・中間・近⽅のうち1つの距離にピントを合わせるのに対し、多焦点眼内レンズは2つの距離、あるいは3つの距離にピントを合わせることができ、種類もさまざまです。
各レンズにはメリットとデメリットがありますので、主治医とよく相談しレンズを決めましょう。

選定療養とは

選定療養とは、保険診療費とは別に保険適応外の治療を保険適応の治療と併せて受けることができる医療サービスの⼀種です。多焦点眼内レンズを⽤いた⽩内障⼿術の場合は、眼内レンズの費⽤とそれに伴った⼀部の検査費⽤が追加で負担となります。

多焦点眼内レンズの種類

1.屈折型多焦点眼内レンズ

遠⽅の⾒え⽅を重視して設計された多焦点眼内レンズ。
近⽅の⾒え⽅が瞳の⼤きさに依存するため、瞳の⼩さい⽅には不適応です。

2.回折型多焦点眼内レンズ

レンズの回折構造によって、遠⽅と近⽅の2点または遠⽅と中間、近⽅の3点に焦点を合わせるレンズ。
単焦点レンズに⽐べて、⾒え⽅の質を落とし、ハローやグレアが出る代わりに、特に近⽅の⾒え⽅を重視しています。
瞳の⼤きさにある程度依存するため、瞳が⼩さい⽅には不向きです。

3. 焦点深度拡張型眼内レンズ

光を2点あるいは3点に振り分ける従来の多焦点レンズと違い、光を振り分けることなく、⾒える範囲を広げているため、遠⽅と中間距離が⾒やすく、グレア・ハローも少ない。しかし、近⽅の⾒え⽅は少し弱いため、⾒え⽅の質が重視で、細かい字を⾒る時は眼鏡を使⽤しても良いという⽅におすすめです。

4. 連続焦点型眼内レンズ

遠⽅視⼒が優れている焦点深度拡張型と、近⽅が優れている回折型を組み合わせたハイブリットな眼内レンズ。
遠⽅から近⽅まで連続して⾃然な⾒え⽅が可能です。

5. 波面制御型眼内レンズ

レンズの中心2.2mmに波面を制御する領域を設けることで、連続的に焦点を拡張することができます。また、この領域はわずか1μmの凹凸しかないため、光視現象と呼ばれるハローやグレアは生じにくく、単焦点と同等の見え方です。しかし、近方と呼ばれる30cmや40cmの見え方は低いため、しっかり見ようと思う場合は、眼鏡が必要となります。

レンズのご紹介

よくあるご質問

Q.進⾏した⽩内障は薬で元に戻すことできますか?

A.いいえ
⽩内障に対する点眼薬は数種類ありますが、これらの薬は⽩内障を治すものではなく、進⾏を遅らせる⽬的で使うものです。⽩内障でいったん濁ってしまった⽔晶体を透明に戻すには、⼿術で濁りを取るしかありません。

Q.⽩内障の原因は加齢の他に何がありますか︖

A.⽩内障の9割は加齢によるものと⾔われています。
⽣まれつきでないものでは、糖尿病やアトピーなどによるものや、病気の治療で⽤いた薬が原因で起こる⽩内障、⽬に物などがぶつかった時や、ケガをした時に起こる外傷性⽩内障があります。その他に、⽣まれつき⽔晶体が濁っている先天⽩内障もあります。

Q.⽩内障の⼿術後、⾒えづらくなることはありますか︖

A.はい
後発⽩内障といい、眼内レンズを納めている袋の部分(⽔晶体後嚢)が術後数ヶ⽉〜数年経って濁ってくることがあります。症状としては、⽩内障と同じように物がかすんで⾒え、視⼒低下をきたします。術後5年で約20%の患者さんに発症するといわれています。
治療はレーザーを⽤いて濁りを除去します。

Q.⼿術後の⾒え⽅は選択できますか︖

A.はい
単焦点レンズを使⽤するか、多焦点レンズを使⽤するか選ぶことが出来ます。
また、単焦点レンズにした場合、裸眼で遠くが⾒えるようにするか、近くが⾒えるようにするかも選んでいただきます。

Q.多焦点眼内レンズは完璧な⾒え⽅になりますか︖

A.いいえ
⾒え⽅に慣れるまで時間がかかることがあります。必ずしも全員で眼鏡が不要になるわけではありません。
調査によると、多焦点レンズを挿⼊された⽅の4.1%~7.2%が⾒え⽅に不満を訴え、1.2%で多焦点から単焦点眼内レンズへの交換⼿術を⾏っています。

Q.多焦点眼内レンズは誰でも使⽤できますか︖

A.いいえ
多焦点眼内レンズは、眼の中に⼊ってきた光をいくつかに振り分けるため、⾒え⽅の質が劣化してしまいます。したがって、眼底に別の疾患がある⽅、術後の⾒え⽅の質にこだわりを持っている⽅、性格的に神経質な⽅は向いていないと⾔われています。また、夜間の運転時にグレアとハローが出るので、夜間頻繁に運転をされる⽅は不向きです。

Q.眼内レンズを交換する⼿術は、保険で⾏えますか︖

A.いいえ
多焦点眼内レンズの⾒え⽅に不満がある場合、慣れるまでに数か⽉かかることがあるので、それまでは経過を観察し、どうしても症状が改善する傾向がなければ、単焦点眼内レンズへの⼊れ換えを考慮します。しかし、この際の再⼿術(疾病に対する治療ではないもの)については、保険診療となりません。

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