総合大雄会病院では、救命救急センターとの連携で24時間365日いつでもあらゆる心臓病の受け入れを行っています。
急性心筋梗塞に対してもカテーテルを用いた手術(PCI)をはじめ、緊急治療に対応しています。
急性心筋梗塞に対してもカテーテルを用いた手術(PCI)をはじめ、緊急治療に対応しています。
心臓全体を1心拍で撮影可能な320列CTをはじめ、シンチグラフィ、MRI、エコーを駆使した正確で精密な検査、診断で、早期発見、早期治療につなげています。
心筋梗塞、狭心症に対しては、積極的にカテーテル治療を行っています。循環器内科のみならず心臓外科との連携を密にして、患者さまの病態に合わせたオーダーメイド治療を目指しています。
概要
循環器内科は心臓病を主として診療する診療科です。
現在、日本での死因の第2位を占める心臓病は、今後も高齢化に伴い増加することが予想されます。
当院の循環器内科ではこの心臓病に対し安全で質の高い、また効率的な医療をそれぞれの患者さまに適切な形で提供しています。循環器内科のみならず心臓外科とも連携しチームで対応しています。
心臓病は突然発症することがしばしばあります。循環器内科では、救命救急センターと連携し、24時間365日、循環器救急診療も行っています。
心臓病でお悩みの方、また、胸痛がある、胸が苦しくなる、呼吸が苦しい、手足がむくんでいる、動悸がする、意識が遠のく感じがするなど、気になる症状のある方は是非一度ご相談ください。
当院の循環器内科ではこの心臓病に対し安全で質の高い、また効率的な医療をそれぞれの患者さまに適切な形で提供しています。循環器内科のみならず心臓外科とも連携しチームで対応しています。
心臓病は突然発症することがしばしばあります。循環器内科では、救命救急センターと連携し、24時間365日、循環器救急診療も行っています。
心臓病でお悩みの方、また、胸痛がある、胸が苦しくなる、呼吸が苦しい、手足がむくんでいる、動悸がする、意識が遠のく感じがするなど、気になる症状のある方は是非一度ご相談ください。
診療内容
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)
心臓病は、日本人の死因の第2位となっており、その約40%は心筋梗塞、狭心症といった虚血性心疾患によるものです。心臓へ栄養を送る冠動脈が動脈硬化などにより、血液が流れる空間が狭くなったりつまったりしておこる病気です。心臓病のなかで最も頻度の高い疾患です。
症状
胸痛、胸部の苦しさです。特に持続する強い胸痛の場合は、急性心筋梗塞の場合がありますので夜間でもただちに救急外来を受診してください。また、時間が短い(数分間)、強くない胸痛や胸苦しさでも狭心症の場合がありますので循環器内科を受診してください。
診断
冠動脈の病変の診断には、冠動脈CTを積極的に使用し、カテーテルを使用せず、外来にて負担少なく診断可能となっています。心臓カテーテル検査が必要な場合も、肘や手首の動脈(上腕動脈や撓骨動脈)から施行し負担や苦痛を軽減しています。また、負荷心筋シンチグラムや心臓カテーテルによる冠血流予備能比(FFR)を測定し、心臓の血流低下の程度(心筋虚血の程度)を評価し、患者さまそれぞれに適切な治療法が選択できるよう診断します。
治療
病状に応じて
- 1.薬物療法
- 2.カテーテルによる血行再建(経皮的冠動脈形成術:PCIともいいます。カテーテルをとおしてバルーン、ステントといった器械を挿入し冠動脈の内側から閉塞あるいは狭窄した血管を拡げる方法)
- 3.冠動脈バイパス手術(心臓外科で施行)を選択します。
当科では、経皮的冠動脈形成術(PCI)を積極的に施行しています。PCIは、基本的に手首の動脈(撓骨動脈)から施行し、患者さまの苦痛を軽減します。バルーン、ステントのみならず、石灰化(高度に硬化し石のように硬くなること)した病変に対するロータブレータなど様々な機器を駆使し、難易度の高い複雑な冠動脈狭窄にも対応しています。
また、血管内エコーや光干渉断層法による血管内から冠動脈病変を観察することにより精度の高いPCIを行っています。急性心筋梗塞に対しては緊急PCIを行います。虚血性心疾患の治療においては、心臓外科とも連携し、患者さまに最適の治療を提供します。
また、血管内エコーや光干渉断層法による血管内から冠動脈病変を観察することにより精度の高いPCIを行っています。急性心筋梗塞に対しては緊急PCIを行います。虚血性心疾患の治療においては、心臓外科とも連携し、患者さまに最適の治療を提供します。
動画「心筋梗塞・狭心症について」
非閉塞性冠動脈疾患:INOCA(イノカ)
INOCAとは、冠動脈に狭窄(血管が狭い状態)を認めないにも関わらず狭心症の症状を引き起こす状態で、冠攣縮性狭心症と微小血管狭心症(冠微小循環障害:CMD)に分けられます。冠攣縮性狭心症は冠動脈が痙攣して縮まり血流が悪くなる狭心症、微小血管狭心症は微小血管の異常によっておこる狭心症の事です。
症状
・冠攣縮性狭心症
早朝や寒い時、過換気時などに胸が痛くなることがあります。
・微小血管狭心症
0.3~0.5mm未満の血管拡張不全、収縮亢進のために心筋虚血が一時的に起こることによって、安静時でも胸が痛くなることがあります。
早朝や寒い時、過換気時などに胸が痛くなることがあります。
・微小血管狭心症
0.3~0.5mm未満の血管拡張不全、収縮亢進のために心筋虚血が一時的に起こることによって、安静時でも胸が痛くなることがあります。
診断
・冠攣縮性狭心症の診断
24時間連続して記録するホルター心電図を行いますが、心電図検査中に発作が出現するとは限らないため、心臓カテーテル検査時に攣縮を誘発するための薬剤(アセチルコリンやエルゴノビン)を注入し、冠動脈の変化と発作の症状が出るかを確認します。
・微小血管狭心症の診断
心臓カテーテル検査による冠動脈造影を行っても心外膜血管の観察が主であり、微小血管は見えないため正確な診断が難しく正常と診断されてしまうことがあります。そのため当院では、新たに「CoroFlowシステム」を導入いたしました。
24時間連続して記録するホルター心電図を行いますが、心電図検査中に発作が出現するとは限らないため、心臓カテーテル検査時に攣縮を誘発するための薬剤(アセチルコリンやエルゴノビン)を注入し、冠動脈の変化と発作の症状が出るかを確認します。
・微小血管狭心症の診断
心臓カテーテル検査による冠動脈造影を行っても心外膜血管の観察が主であり、微小血管は見えないため正確な診断が難しく正常と診断されてしまうことがあります。そのため当院では、新たに「CoroFlowシステム」を導入いたしました。
©Abbott
「CoroFlowシステム」は、カテーテル検査中に温度や圧力を測定できる特殊なガイドワイヤーと専用のソフトウェアを用いることで、微小血管狭心症を正確に診断することが可能となります。従来の検査で判断できなかった隠れ狭心症が明確になることで、患者さんの安心感につながります。
治療
冠攣縮性狭心症・微小血管狭心症ともに、冠動脈に狭窄がなければ、カテーテルによる治療ではなく、発作を予防する目的で血管拡張剤の内服治療が中心となります。また発作を誘発する原因の是正、禁煙、血圧管理、糖尿病や脂質異常症の是正、過労や精神ストレスの回避、節酒が必要となります。
不整脈
心臓は、全身に血液を送り出すポンプのような役割をします。ポンプを動かしているのは、電気刺激です。まず、右心房にある洞結節が興奮し、電気刺激が心筋全体へと伝わって行きます。不整脈とは、この心臓の興奮が正常に伝わらないことで、脈が不整になることをいいます。
図1 正常な場合
図2 不整脈の場合
症状
胸がドキドキする(動悸)、脈がとぶ、失神(一時的に気を失うこと)がある場合不整脈による可能性があります。循環器内科で相談してください。
診断
不整脈は、心電図、24時間心電図(ホルター心電図)、心臓カテーテル検査(電気生理学的検査)により不整脈の種類、重症度などを診断します。
不整脈には、脈が遅くなる徐脈性不整脈と脈が速くなる頻脈性不整脈があります。
不整脈には、脈が遅くなる徐脈性不整脈と脈が速くなる頻脈性不整脈があります。
治療
徐脈性不整脈(房室ブロック、洞不全症候群など)に対しては、ペースメーカー植え込み(交換を含む)を施行します。体内式ペースメーカーを植え込まれた患者さまは、ペースメーカー外来にて定期的に経過観察します。
頻脈性不整脈で、心房細動、上室性頻拍、心房粗動、特発性心室性頻拍などに対しては、薬物療法や、カテーテルアブレーション(カテーテルを使って、心臓の内側から不整脈の原因となっている部分を高周波で焼く方法、これにより完全治癒させることが可能です)により治療します。心室細動などの致死性心室性不整脈に対しては、急性期治療のみならず、再発予防、植え込み型除細動器の植え込みも施行しています。
頻脈性不整脈で、心房細動、上室性頻拍、心房粗動、特発性心室性頻拍などに対しては、薬物療法や、カテーテルアブレーション(カテーテルを使って、心臓の内側から不整脈の原因となっている部分を高周波で焼く方法、これにより完全治癒させることが可能です)により治療します。心室細動などの致死性心室性不整脈に対しては、急性期治療のみならず、再発予防、植え込み型除細動器の植え込みも施行しています。
心不全
心不全とは、正常な心臓の働きが弱くなり、心臓が全身に必要な血液を送ることができなくなった状態です。
症状
動いた時に息苦しい、重症だと寝ていても息苦しくなることがあります。また、下肢のむくみがでることもあります。
治療
心不全の原因となる心疾患に対する治療と薬物療法が主体となります。重症例ではICUでの人工呼吸器や、大動脈バルーンパンピング(IABP)、経皮的人工心肺(PCPS)などの補助循環装置を用いた治療を施行します。慢性心不全に対して薬物療法のみならずペースメーカを用いた心臓再同期療法(CRT)も行っています。
弁膜症
心臓の弁(大動脈弁、僧帽弁など)が閉鎖不全となったり、狭窄したりする疾患で、心不全の原因となります。心臓超音波検査や心臓カテーテル検査により診断します。
治療
手術による人工弁置換術や弁形成術です。心臓超音波検査による正確な診断と手術の時期、手術方法の決定が重要で、心臓外科と連携し診療にあたっています。大動脈弁狭窄症や僧帽弁狭窄症に対しては、身体に負担の少ないカテーテルによる治療が可能な場合があります。
心筋症
心臓の筋肉(心筋)の病気で、心不全や不整脈をおこすことがあります。心臓超音波検査や心臓カテーテル検査により診断します。
治療
主として心不全や不整脈に対する治療となります。閉塞性肥大型心筋症に対してはカテーテルや手術による治療の適応となる場合があります。
肺塞栓症
静脈からの血栓が肺動脈につまる疾患です(エコノミークラス症候群も肺塞栓症の一種です)。近年増加傾向にあります。
症状
呼吸困難、息苦しさ、胸痛、重症例ではショック、心停止となります。
治療
重症例には血栓溶解療法やカテーテルによる血栓吸引療法、または外科的血栓内膜摘除術を施行します。また、再発予防には薬物療法、下大静脈フィルター留置を行います。慢性血栓塞栓性肺高血圧に対しては心臓外科にて外科的治療を行っています。
末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症など)、大動脈疾患
症状
閉塞性動脈硬化症は、四肢(手足)の動脈に動脈硬化がおこり、動脈が狭くなったり、閉塞し、四肢の血流が低下する病気です。食生活の欧米化や高齢化で増加しています。症状としては、四肢の運動時の痛みやだるさ、さらにはしびれが出ることもあります。血流がわるくなりすぎると手足の先が壊死することもあります。
診断・治療
四肢の血圧測定やCTなど比較的簡単な検査で診断でき、また、カテーテルを使った動脈内から血管を拡張したり(血管内治療)やバイパス手術にて治療します。大動脈瘤や解離性大動脈瘤などの大動脈疾患は、循環器内科、手術が必要な場合(ステントグラフトを含む)は心臓外科で治療を行なっています。お気軽にご相談ください。
お知らせ
患者さまへ 学術研究へのご協力のお願い
当院では、医療の質の向上を目的として、患者さまの症例を登録して学術研究に役立てるデータベース事業に協力しています。
▶NCD(National Clinical Datebase)について
・循環器内科に通院中の患者さまへ(PDF)
▶カテーテルアブレーション症例前例登録プロジェクト(J-ABレジストリ)について
▶2017年度循環器疾患診療実態調査(JROAD)
・当院に入院された劇症型心筋炎の患者様へ(PDF)
▶循環器疾患診療実態調査( JROAD )のデータベースと CRT 患者の予後に関わる因子に関する研究
[研究B:JROAD-DPCデータベースの二次調査によるCRT患者の予後に関する全国的調査研究(JPN-CRT研究)]
・当院で両室ペーシング機能付き植込型除細動器移植術、両心室ペースメーカー移植術を受けられた患者さま・ご家族さまへ(PDF)
▶NCD(National Clinical Datebase)について
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医療従事者のみなさまへ 研修会動画のご案内
地域医療支援病院である総合大雄会病院では、「地域の医療従事者の資質向上を図る」ことを目的に、定期的に医療従事者向けの研修会を開催しております。その一環で実施した循環器テーマの研修会の内容を、以下からご覧いただけます。※一般の方(患者さま、ご家族さま)もご覧いただける内容となっております。